きみはきっと笑うだろう

記録とか歌詞とか、今の私とか。

20131205 08:16



進みましょうか、真っ直ぐ


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目の前ではツアーガイドが右に左に忙しなく  手のひら上に広げてさ
つき従う金魚の糞たちも  あっちこっちに首を向けてさ
「右手は、これまた有名な地獄の大釜で御座います。これは確かに、罪人蜘蛛の糸をも掴む、というのも頷けますね。先ほどの釈迦さまに頼んで、下ろして貰えばようございました。ああ、間違っても『こら、罪人ども。この蜘蛛の糸は己のものだぞ。お前たちは一体誰に尋いて、のぼって来た。降りろ。降りろ』なんて言ってはなりません、いけません。いつ糸よりだいぶん細くて短い、彼の方々の(といいながら釜のある方を指して、)堪忍袋の緒が切れるとも分かりませんから」

時々に変に敬語をまじえながら  ガイドは必死の形相を真似てみせる
あはははは、笑い声が響く
バカみたいに笑ってさ  何が楽しいんだか
さあ皆さん  御覧になりまして
段々と調子が上がってきたのか  ガイドの一際高い声
「こちら、お次は……」
少し前を行く男が振り向いた 
張りついて剥がれなくなったようなさ  なんだいそれは笑顔かい?
その髭だるまが笑いながら言うことにはね
なんだいお前さん、前ばっかり向いて。こんな愉快は滅多にねえぞ。ほら、どうだい一緒に、



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僕はいいよ