20131207 20:38
【終夜】
それはだれ?
君はどこ?
*
舞台は閑静な街路のようです。
スポットライトが、舞台の真ん中照らす。辺りは薄闇。
不揃いな生ではなく合わさった、
潜められた呼吸(オト)が静を飾る。
ひとり踊るのは、木偶人形。からりからりと音がひびく。
引かれて歩く、吊られて跳ねる、終わらない。
ぜんぶぜんぶいて、みんなみんなある。
嗚呼、嬉しい、嬉しい。まるで夢。
ゆめ?
彼は首を傾げる。
聞き覚えのない言葉だ、
そんなもの彼は知らなかった。知らないはずだった。
ゆめ、夢?
あれ、なんだろう?なんだか...
ぐにゃりと、視界が歪む。
遠く広がる灰の土壌に。カラカラカラと、乾いた風が吹いて。
蜃気楼、何もなかった。
思い出した、「これ」が夢だった。
糸は切れて、動くものはもうない。
慣性に逆らわず、感性はしずめられて。
消灯。歓声、喚声。
まったく五月蝿いものです。
*
向こうで落下しているのは。
あれはぼく。
これで完成。
さあ、開幕しましょうか。
本日の演目は―――