きみはきっと笑うだろう

記録とか歌詞とか、今の私とか。

ふたりのはなし/ひとりとひとり、彼とその人のはなし

何度目かのひとりを知ったあなたはどう生きるのだろう。

どう生きてもいいし、どう生きたって私たちは結局ひとりきりなのだろうと思う。

 

私はずっと、どうやったって人はひとりだと思っているけど、あの頃のあなたたちはもしかしたら、ひとりではなかったのだろうかと考える。

寄り添えていたあなたたちは、それとも今と同じくらい、いや、今よりももっとひとりだったのだろうか。だからこそだったのだろうか。

 

知る由もないし、知らなくていいとも思うけれど。その時から今は始まっていて、今のあなたがこれからを形作っていく。

その過程をもう少しだけ近くで見ていたいと思うのは、ひどく傲慢だね。

 

揺らぐ焦燥のようなものを無視すれば、こんなにも外で見ているのは容易い。どうなるか分からないから夢しか見ないけど。

なるべく、なんかいい感じにならんかなあとは思っている。

 

喉と鼻の奥にこみあげてくるものを下しながら言う。

ほら、大丈夫だよ。

大丈夫、まだいけるよ。

 

だから、どうか、

 

 

 

あなたを生きて。

ふたりのはなし/そのひとが大事に大事にしてきたものと、彼がこれから闘い続ける場所

あの頃と同じ感覚を感じたかもと思うのは、私の欲望でしかないかもしれない。

でも今も、あの頃も、置いていかれたのは彼の方だと思っている。

あの頃から、その背中を見ながら置いてかれたのは彼だったし、

あの頃からその人は、きっともっと、ずっと、遠くに進んでいくよっていう確信は確かに彼の胸にあったのではないかと思う。

あんなにつよくて脆くて高くて淋しそうで、確かに守られていて、ひとりだったはずなのに、縋り付いていたのはどっちだったんだろう。

けれども確かに、その人は傷つき守られながら、立ち続けて、そこで静かに守ってきたんだろう。

卑怯なわたしの

私のフィルターは中々完璧で、大抵のことは浄化されて、私を取り囲む、わたしのいない世界を繰り返し写すモニターのようになっている。

 

お互いに、聴きたくないけど伝えたいんだってこと。それを分かった上であなたはそう言ってくれてるだろうから、耳を塞ぐなんてことはしたくない。

 

ずっと、ずっとそうだよ。大丈夫だよ。

と言ってあげたいけど。

 

知ってるよ。だからだよ、だから私は。

その先を、私は言うことができない。

 

空を仰いで、いつも遠くに雷をみている。

 

 

 

 

私は、わたしのためにあなたをみてる。

 

ごめん。ありがとう

本当にごめんなさい

 

こんな、ずるくてごめん

 

でも、ごめんなさい。どうか、

どうかまだ、ここから遠ざからないでいて。

 

今はまだ駄目なんだ。

2013121 15:29

そびえ立つ、壁は
果てが見えそうに無くて
到底、崩せやしないんじゃないかって
だけどね、引き返すのも無理だから
立ち尽くすしかなくて
そういうときはね
先ず、近くの壁から削ってみるんだよ
小さな石が無くなるまでね
ひとつめじゃ、まだ全然かもだけど
いくつも、いくつも
数を数えていってごらん
ふと気がついたら
向こうから光が差しているかもしれないよ
覗いたら、見えるはず
蹲っている、淋しい心がひとり
呼びかけるんだ、届くように
振り返ってくれないのなら、君が行こう
また削って、削って、壁の向こう
目の前に回り込んで、手を伸ばす
今度こそ、届くように

何にも考えないで、ひたすらに
案外簡単に、先が見えるかもしれないよ

20131211 23:16

遠く遠く見晴かし
歩いていく
どこまでも
たどり着けるはずないのに


遠く遠く響く声
立ち止まる
立ち尽くす
遮られて届かなかった


ぱらり、ぱらり、今日も綴り


ぽつり、ひとり、遺されて


俯けたままぼんやり見ていた
触れてみようと、そうして
「――、――――」

 


落とした言葉はまだとけない

 

 

20131210 14:44

眠れよ、悲しむこころ

訳もなく迫りあがってくるもの

 

 


目の前の彼女は、そうね

その顔は醜さを知っていた、悼みをおぼえていた

 


私は思わず、目をそらしそうになって

でも、駄目だわ、彼女をじっと見つめる

 


右の手を伸ばす、真っ直ぐ前へ

彼女もそうやって、ぴったり、重なる

ああ、つめたい

彼女の呟きを、私は見ていた

 


またね、私は言う、彼女もいう

もう会わないよ、もう一度言う、彼女も

 


引き剥がした手をふって、背を向けた

彼女もこっちなんか、もうみてない

 


ばいばい

胸のなかで呟いた、彼女は、

 


彼女は「私」じゃない

呟きを落とすことは、しなかったろう

 

 

 


目覚めない、まだ

鳥が啼いても、声はまだ、遠い

 

 

20131209 23:41

 

確かキレイな空だったはずだけれど 曖昧にしか覚えていないんです

まだ風のつめたい春の初めの頃でしたね 君は忘れたでしょうか

出来れば怒らないで聞いてほしい 別に僕は忘れた訳ではないんです



君が見つめていた空 それごと目に焼き付けたかったけれど

やっぱり君しか映らなかった 

僕のキャパは大分小さい 直ぐに吹き零れちまうんです

君のことならずっとずっと残しときたいからさ





あの日は特にひどいもんです あれはちょっと反則

普段は君 誰にでも笑顔振り撒くから

だからほら 皆誤解してしまうんです

でも僕はそんなこと知っていたからね 期待なんかしません 

それなのに一体どうしたことだろうね





わらった瞳  はらはら 涙こぼれ落ちる

痛む想いすら捨てて君は笑ったよ

「捨てないで」の声すらどっかへ行っちゃって

沈む夕日 照らす君 理由は聞かないよ





夕焼けが何故紅いのか知ってる?

其れはね太陽が優しいからなんだよ

いつも頑張って私たちを照らしていて

沈む間際 ちょっと気が緩んじゃうんだ



遠い昔  あの人の言葉

それで救われた彼を知ってるよ

だから僕は君に伝える

そんな痛そうな顔しないでよ

僕も笑って言葉紡ぐから





見開いた瞳  ゆらゆら  わずかに揺れる

繋ぐ呼吸すら忘れ  君は立ち尽くす

でも君はもうすぐに  また泣き笑い

沈む夕陽  染まる君  ひと色のけしき



ほらね


 




僕は君の遥か後ろ歩む  伸びた背中遠く見ながら

君が捨てていったもの拾いながら行くよ