2017-01-01から1年間の記事一覧
そびえ立つ、壁は果てが見えそうに無くて 到底、崩せやしないんじゃないかって だけどね、引き返すのも無理だから立ち尽くすしかなくて そういうときはね先ず、近くの壁から削ってみるんだよ 小さな石が無くなるまでねひとつめじゃ、まだ全然かもだけど いく…
遠く遠く見晴かし歩いていくどこまでもたどり着けるはずないのに 遠く遠く響く声立ち止まる立ち尽くす遮られて届かなかった ぱらり、ぱらり、今日も綴り ぽつり、ひとり、遺されて 俯けたままぼんやり見ていた触れてみようと、そうして「――、――――」 落とした…
眠れよ、悲しむこころ 訳もなく迫りあがってくるもの 目の前の彼女は、そうね その顔は醜さを知っていた、悼みをおぼえていた 私は思わず、目をそらしそうになって でも、駄目だわ、彼女をじっと見つめる 右の手を伸ばす、真っ直ぐ前へ 彼女もそうやって、ぴ…
確かキレイな空だったはずだけれど 曖昧にしか覚えていないんですまだ風のつめたい春の初めの頃でしたね 君は忘れたでしょうか出来れば怒らないで聞いてほしい 別に僕は忘れた訳ではないんです君が見つめていた空 それごと目に焼き付けたかったけれどやっぱ…
いいえ、いいえ。 あの色でなきゃ駄目なのよ。色を探して、さがして 鮮やかなひかり、いたみ。 泣き出してしまいたかった。 そこに身を投げ出して、叫びだしてしまいたかった。でも、触れられない。 自らの両の手を広げ、見る。 ああ、私じゃ、さわれない。…
灯りに群がる虫みたいに、 いつも光を追っている。 きらきら、きらきら。 眼下に広がる無数の光。 遠ざかっていくのを見つめながら。 途切れがちになって。 斜め前を浮かぶ翼が色をなくして、暗がりに沈むようになった頃。 首をもたげてるのも辛くなったから…
ゆらり ゆらり お山がゆれる ざわり ざわり から風さわぐ らりら らりら 小川はうたう お山の木こりさんよ 調子はどうだい今日もまた誰か 倒していくの?風に吹かれて ささやきざわめき馴染みのことば いつものひとりごと 小川のお水 くすりとわらう さてい…
歩んできた軌跡(トキ)はここにここに?それはどこに?確かにあるんでしょうかこの目に見えもしないものをあなたたちは信じろなんて言うから「そんな風」にいられたらきっと楽なんでしょうけれどあいにく私は馬鹿ではあっても阿呆じゃないのよほらみなさいよ…
闇夜の蛍。飛び回る彼は言う。 「気づかないでしょうけれど、月すらないの」 ああ、本当。空が真っ黒。 いつも、重なる陰の隙間から射し込んでくるものは、嘘だったのかしらね。 「さあ、知らないよ」でもね、と彼は続ける。 「所詮そんなものなんだ」もうす…
いつからなの? そんなの知ってりゃ苦労しないわよ。 * 昼の街を歩けば、若者たちの笑い声。 異質な世界に迷いこんだような錯覚に陥る。 このどこか壊れたような違和はいつまでたっても慣れない。 到底理解出来なかった。 何もかもがマヒしてる。 その不自然…
【終夜】それはだれ?君はどこ? * 舞台は閑静な街路のようです。スポットライトが、舞台の真ん中照らす。辺りは薄闇。不揃いな生ではなく合わさった、潜められた呼吸(オト)が静を飾る。ひとり踊るのは、木偶人形。からりからりと音がひびく。引かれて歩く、…
本当、ひどい人。 そういって君は微笑うけど、 何だかその色は、声は、泣いているようで。 渇いた喉を潤すものは、ここにはない。 それは私が、手放したもので、 手が届かないもので、 手を伸ばすことすら、しなかったもので。 光が、音が、この胸を灼いて。…
【前夜】隣の部屋からは一定のリズムで鼾声が響いてきていた。それを聞きながら、彼はひとつ息をついた。随分深刻さを帯びた響きだった。全く、徒に争うことに、一体なんの意味があるというのか。力と恐怖による支配など、所詮続きはしないというのに。ただ…
【初夜】可哀想な少年のお話です。少年は「よくでき」ていました。その姿は大層「美し」く、「お勉強」も「運動」もできました。「友だち」もいっぱいいました。「将来」沢山の発見をするでしょう、「大人たち」は持て囃しました。それは歪でしたけれど、そ…
羊は夢に生きるもの 夢は空、穴は埋まらない進めない、進めない 私はわたしに呪をかけるここから先は、進めない 呼びかける声は届かない掬うたび、広げた指の間からこぼれ落ちて 貰えない、そう言ってただただ嘆いていて目覚めなければいいのに 喰われてしま…
君の殺戮の物語 【初夜 ‐夢を殺す‐】 【前夜 ‐ を殺す‐】 【終夜 ‐ を殺す‐】夢を、過去を、今を殺す。明日はない。だって君も僕も、もういないから。
痛みこそ愛だと、そう呟いたのは誰だったかしら。そうは言ってもやっぱり、其れだけでは生きられないのにね。どうしたって手に入らないから、こんなにも焦がれるのかしら。そんなことはないはずだわ、きっと、どうか。知らぬまま朽ちるのは、かなしすぎるか…
真夜中星がうたうよきらめいてかがやいて夢を運ぶ道をつくるこんなものでしか示せなくて悪いとは思うけどさ君たちは形あるものしか信じられないから寒い夜星がうたうよおとなしの細いこえ君たちは見上げることをしないから代わりに伝えてあげよう*鈴の音が響…
それでも 聞くことが出来ないのはどうしてなんだろう やさしいから 届かないから期待はしないよ 願いもしない ながれてきた時間(トキ)もひとしいから 愛しいから 知ってるんだ 知ってるのに
進みましょうか、真っ直ぐ*目の前ではツアーガイドが右に左に忙しなく 手のひら上に広げてさつき従う金魚の糞たちも あっちこっちに首を向けてさ「右手は、これまた有名な地獄の大釜で御座います。これは確かに、罪人蜘蛛の糸をも掴む、というのも頷けますね…
あなたにナニカ届けたくて 声だけ持って走りましたずっとずっと遠くまで そしたらナニカ忘れましたあなたをずっと想いました 星がきれいに見えたんだそしたら僕は思い出した 60億回目の息をした「生きてること」確かめたくて 呼吸を少し止めてみた酸素は僕を…
夢は、跡絶え。 痛みは絶えず。 そこでひとり、 鳴く泣く哭く。 "ぼく"は無く。 そこに無くて。 微睡んだまま、 終われたなら。 そうあれたら。 ずっと素敵で。 だけどきっと、 あり得なくて。 悲しい哀しい。 "ぼく"はなく。
闇夜の蛍。飛び回る彼は言う。 「気づかないでしょうけれど、月すらないの」 ああ、本当。空が真っ黒。 いつも、重なる陰の隙間から射し込んでくるものは、嘘だったのかしらね。 「さあ、知らないよ」 でもね、と彼は続ける。 「所詮そんなものなんだ」 もう…
花火のようだと、その人は云いました。背後から射し込む光を浴びて、僅かに微笑んでいるのが見えた。 打ち上げたられた其れの、華やかに咲き誇る姿に。或いは。囲うように、息を詰めて見守った、淡く生き続けようとする光に。その人は、セカイの様を例えた。…
20:50 いずれの時とはいつのこと?今ここに、それこそまことといえることあなたはうつつわたしはまことちぎるはゆめちぎるはうつつだからわたし、それはしないんだわ分かりきっていたこと与えて奪う、それだけならばはじめからそんなものはいらないのねえ、…
いずれの時とはいつのこと?今ここに、それこそまことといえることあなたは現わたしはまことちぎるは夢ちぎるは現だからわたし、約束はしないんだわねえ、そう思わない? 2014.09.08の記録です。 定期的にこういう文章を書いていたのは、この日が最期だった…